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 ソルトルアーアングラーに最も嫌われる魚、それはエイ。
掛ければ重戦車のごとしパワーで以てラインをブチ切り、そして地雷のように砂に潜んで一刺し!

刺されれば最悪命にも関わると聞きます。
よしんば直接の死の危険がなかったとしても、水に浸かった状態で動けなくなればそれも一大事。
どうにか生還しても、今度は長く辛い通院生活。下手したら入院だってあります。
前に刺された釣り人の体験談を見たことがありましたが、1年近く通院してましたね。

仕事を休んだりする経済的損失、治療にかかる経済的、時間的損失。そしてなにより肉体的損失。考えるだけでも恐ろしく、我々はウェーディング中、常にビクビクする羽目になっているわけです。

それなのに、ノーガードでウェーディングする人は依然多い。
何故か。

それは分かりきってます。

クソみたいに高いんですよ、レイガード。

こんなね、出来損ないの靴下みたいのが幾らです? ああ? いくらするんです?
4万? バッカじゃねーの、マジで。

いや、分かりますよ? 素材は確かに特殊です。そして、素材が特殊故の加工の困難さもあるんでしょう。
それでも、ちょいとボリすぎじゃあないですか?

この手の保安装備の宿命ではあるんですよね。
必要を感じるときとは、手遅れになったときである、という。


Q.なんでレイガード装備しないんですか?

A.だって刺されたことないし…。何度か踏んだことあるけど平気だったし…。

みたいな人、結構いるんじゃないでしょうか?
逆に、刺されたことのある人は何が何でも次の釣行までにレイガード(あるいはそれに準ずる装備)を用意するでしょう。

ただ、同じ保安装備でありながら、大変普及しているものがあります。
そう、ライフジャケットですね。
しかし、大半の人はあまり保安装備として意識していないんじゃないでしょうか?
実のところ、私もそうだったりします。半分以上、物凄く便利な「着るバッグ」だと考えています。
だから、ほぼ落水することのありえないような、胸元近くまでのフェンスがあるような整備された釣り公園みたいな場所でもライジャケを着ています。
ライジャケは保安装備でありながら、ウェアラブルなタックルコンテナとしての大きな大きな付加価値があるため、これだけ普及したんでしょうね。
それに、「落水するかもしれない」という恐怖は、釣り場において分かりやすく、想像しやすい恐怖なんですよね。なんたって目の前に大量の水場が広がっているわけですから。
エイはいたりいなかったりするし、恐怖がイマイチ具体的に見えない。

一方、こっち。レイガード。
正直なところ、付加価値なんにもありません。
エイから体を守ります、以上! それ以上も以下の役割もありません。
だったら、ウェーディングステッキの方が、足場の確認もできるという付加価値がある分、優れているといえるかも知れないくらい。
そのくせ、効果の程が分かりにくいんですよね。
もしかしたら、装備してなくても一生エイに刺されることはないかもしれないし。

とはいえ、考えられうる脅威から、自分の身は自分で守らなければならない。
それは、釣り人としての最低限の備えであると思います。
ライフジャケットを着る、スパイクシューズを履く、予備のライトを携行する、そして、レイガードを履く。

前フリが長くなりましたが、エクリプス サバイバルフィートです。

これを選んだ理由は、当時一番安かったから。それでも定価で¥45,000します。
確か、実売は¥40,000するかしないかくらいだったかと。

レイガードはこのサバイバルフィートのような中に履くソックスタイプと、ウェーダーの外から装着するガンダムみたいになる外骨格タイプがありますが、外骨格タイプはやはり水流の影響を受けやすくなってしまうため、機動性に劣るようですね。機動戦士みたいになるのに。

ソックスタイプのエイガードですが、選択肢はあまり広くありません。
ざっと調べてみるとソックスタイプのエイガードがカタログに存在するのは

エクリプス ノーメックス ¥45,000
アイマ ケプラー&ノーメックス ¥46,000
アングラーズデザイン ノーメックス ¥38,000
パズデザイン スペクトラ繊維 ¥56,000

ノーメックスとケプラーはともにアラミド繊維という奴らしいので、そんなに差はないと思います。
鉄の1/5の重さで、鉄の7倍強いとかいう、防弾チョッキなんかにも使われる素材。
スペクトラ繊維はアラミドの1.7倍の強さを持つとのこと。無駄に高いわけではないんですね。

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ネオプレンのマジックテープで留めるようになっています。
結構きっちりとフィットさせることができます。

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ロゴは申し訳程度に。どの道、ウェーダーの中に履くものだから見えないんだけど…。

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内側にマジックテープ式のポケットがあって、何やら謎の板が入っています。

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取り出してみるとこんな感じ。恐らく、マジックテープのメス側にあたる脹脛部分を保護するためのプレートなんでしょう。

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厚紙のような、布のような、プラスチックのような、不思議な感触。

履き心地は、正直よくありません。
物凄くゴワゴワした靴下。
サイズは靴のサイズ27.0前後の自分で、Lサイズでちょっと大きいかな?くらいです。
中に厚手の靴下を履くことも想定しているので、これは問題なし。

あ、ウェーダーはレイガードを履くことを前提にサイズ選んでくださいね。
ネオプレンのソックスを履いてフィットするようにする、というイメージで選べばいいと思います。

しかしですねえ、これを履いてエイを踏んだことも、刺されそうになったこともないので、どのくらいの効果があるのか、実際のところ分からないんですよね。
実験したいとは思わないですし…。
このあたりが、エイガード普及の一番の壁ですね。
高い。そして、普及しないから弾数も出ず、値段も下がらない悪循環。

でも、ウェーディングするなら、何らかの備えをしておきましょうよ?
刺されてからでは遅いんですから。